迎える能力、それに応える能力
農園研修2日目、といっても研修地であるマリンドゥケ島に渡るのはこの日です。
フェリーが到着したのがお昼の1時半、宿泊施設まで車で1時間。到着したら遅めの昼食をとって、すぐに一つ目の農園を訪れる予定でした。
宿泊施設のゲートにバスが入って行くと、入口に村の小学校の子供達が着飾って並んで待っていてくれました。
農園研修者である私達を迎えてくれたのですね。
子供達が白を基調とした衣装をまといながら、フィリピンの民族言語であるタガログ語で歓迎の歌を歌ってくれました。
外国からの来客に興味心ではち切れんばかりの笑顔をした子供もいれば、少し緊張した面持ちの子供もいます。数日前から日本からお客様が来るからと学校の先生から歌の練習をさせられたのかもしれませんね・・^^;
歓迎の歌が終わると、今度は農園研修の参加者達が日本からわざわざ村の子供達へと持ってきてくれた記念品や折り紙を配り始めました。すると、子供達は全員笑顔になりました。
そして、参加者が子供達へ一枚の折り紙から鶴や駒を作ってみせるとその度に歓声があがります。
「ペーパーアートだ!」
そうですね、日本人には「ただの折り紙」かもしれませんが、これを最初に見る人達には奇跡のようなマジックに映るのかもしれません。
言葉は通じなくても、相手に喜んでもらいたい、という気持ちが迎える側にも、訪問側にもあった時に、そこには暖かく密度の高い交流が生まれます。
世の中には国際的コミュニケーションの上達のために、外国語や社交術のコースはたくさんあります。しかし、そこでどれだけお金と時間をかけて学習したとしても、相手をもてなす心、そのもてなしに飛び込む心に貧しければ、本物の人間的交流は生まれないですね。
2時半の予定の昼食が3時半になり、夕暮れまでに農園訪問を終わらせられるのだろうか・・と講師の立場ではハラハラしながら、それでも子供達による歓迎という嬉しいサプライズに胸が熱くなりました。
枡田浩二