「ココヤシが人類を救済する」と言えるのはなぜか?

21世紀、人類を救う植物としてココヤシ、カカオ樹、ニームがあげられているとのことです。

突然、ココヤシと言われても、多くの人は「名も知らぬ遠き島より流れよる椰子の実ひとつ」という唱歌を思い出すくらいで、私たちにとってはなじみの薄い植物の一つではないでしょうか。

しかしココヤシと聞いてほとんどの方は海辺にあり、高いところに実をつけている木を思い描くことができますから、カカオ樹やニームに比べれば、まだわかりやすい植物と言えます。

それにしても、「ココヤシが人類を救済する」とまで言われるのはなぜでしょうか?

ヤシの木は、果実はもちろん葉、茎、皮、どこをとっても捨てるところがありません。ヤシは古代エジプトの時代から人びとの生活に溶け込み、衣食住全ての面で活用されています。

繁栄したエジプトですが、その土地柄、建築資材になるような材木はないので、レンガの家の屋根はヤシの葉で、家材や柱などは幹で作ったようです。

今日、私たちの周りでも足ふきマットやたわし、洗剤、食品など身近なところにも使われています。

このようなヤシ科の植物は2700種もあり、その中の一つがココナッツヤシです。ココナッツヤシはヤシの王様と言われるように、また一段と有用です。特に食品としての栄養面をみると、ココナッツヤシから5大栄養素が摂れるのです。

実の中の白い部分からは脂質、花の蜜からは糖質、アミノ酸(タンパク質)、ビタミン、ミネラルと、5大栄養素が一本の木から摂れるというのは、極めて珍しいことです。

そしてその種類だけではなく、その栄養素を調べれば、学者にさえ「ココナッツは神からの贈り物だ!」と感動させてしまうほどのレベルなのです。

例えば、母乳に7%含まれているので、赤ちゃんに免疫効果があるラウリン酸が、ココナッツオイルにはなんと47%も含まれているのです。ラウリン酸は天然の抗生物であり、抗ウイルス作用、抗菌作用もあるという万能選手なのです。

そしてこの脂質は中鎖脂肪酸なので、胃で分解消化され、肝臓に負担をかけないだけでなく、肝臓に余分に蓄積された脂質を燃焼するし、体内に蓄積しないというのです。これは現代人にとって理想的なオイルではないでしょうか。

また、糖質といえば炭水化物を思い浮かべる方が多いですが、ココナッツの花蜜糖は、アミノ酸18種、それも必須アミノ酸9種全てを含んでいます。それに脳に良いイノシトールたっぷり、ビタミン、ミネラルも含むという奇跡のような植物なのです。

それはミネラルたっぷりの海水を吸って育つ事が関係していると思われます。海水で育つ植物は数が少ないのと同時に天敵が少なく、消毒の農薬や肥料が必要ないことも特別なことです。

昔、緑の革命と期待されながらも、品種、水、肥料が問題で挫折してしまった穀物のようなことはないと確信できます。

ココヤシは既に世界中に根付いて生育していること、その内容が人類の需要にかなっていることからして、まさに「人類を救済する植物」と言える素晴らしいものであると納得しました。

ココナッツの実を開けられるのは人間だけですから、その知恵を正しく用いて、今以上に感謝の気持ちを持って活用していきたいものです。