ココナッツオイルを学んで
私とココナッツオイルが出会ったのは、昨年の11月でした。
「甲状腺機能低下症」という病気であることが分かり、薬を飲むことにはなったのですが、「食品から改善ができないだろうか。」とネットで探している時に、ココナッツオイルがヒットしました。
ちょうど巷でココナッツオイルが流行っていたので買ってみたのですが、冬で固まる時期でもあったので、結局使わないままになっていました。
5月に福岡に引っ越した際にココナッツオイルの存在を思い出し、液体で使いやすい状態にもなっていましたので、使い方を再度調べ、グラノーラと合わせて固めてバーにして毎日食していました。
ただ、「油なので取りすぎもなぁ・・。」と思っていたところ、地元の友人が「福岡にココナッツマイスターのセミナーを受けに行くから、夜会おう!」と連絡があり、私も気になっているから、何ならセミナーも一緒に受けたい!と便乗させていただき、今回のセミナー受講へと繋がりました。
福岡に来る前は、行政で9年半管理栄養士として勤めており、食に関することについてはしっかりと勉強しているつもりでしたが、驚くことが沢山ありましたので、いくつか述べさせていただきます。
まず一つ目は、「飽和脂肪酸は体に良い」ということです。飽和脂肪酸は動物性油に多く、血管に詰まって動脈硬化の原因になり、脳梗塞や心筋梗塞に繋がる。また、体内でのコレステロール合成の原料にもなるので、摂取量には注意する、というのが常識だと思っていました。しかし、飽和脂肪酸が血管につまりやすいという科学的データはなく、心臓病との相関を確定した研究の報告もない、と聞いてびっくりしました。
このことを聞くまでは、「商品を売るために、飽和脂肪酸は体にいいと言っているんだろう」と内心思っていたのですが、世の中で当たり前だと思っている情報が間違っているとは。びっくりでした。実際、コレステロールが肝臓で合成されることは知っていたので、「摂取量を減らしたところで、血中コレステロールの量は変わらないんじゃないか?」と思っていたので、2015年の食事摂取基準からコレステロールの項目がなくなったと聞き、納得したところです。
二つ目は、 トランス脂肪酸についてです。マーガリンやショートニングなど、 トランス脂肪酸を多く含む食品については以前から使わないようにしていましたが、それらが何でトランス脂肪酸を含むのかまでは考えたことがありませんでした。それらを学び、「だからマーガリンやショートニングが危険なのか!」と納得しました。また、酸化というのが光や熱でも起こることは知っていましたが、ボトルに入っている植物油がなぜ酸化しないのか、ということまでは考えたことがなく、理由を聞いて「なるほど!」と思いました。
現職時代に「油は酸化しやすいって言うけど、揚げ物の何回くらいなら使っていいの?」と聞かれて、返答に困ったことがあったのですが、不安定な植物油を加熱するということは、ますます酸化を進めてしまうことなので、そもそも、酸化しやすい植物油を揚げ物に使うこと自体がよくないことなのか!とセミナーで初めて自分の中の答えが出ました。
三つ目は、中鎖脂肪酸についてです。実際にココナッツオイルを食していると、「さらっとしてもたれないな~」と感じていました。同じ脂肪酸でも、鎖の長さで分解の回路が違うことにびっくりしました。また、中鎖脂肪酸は肝臓でケトン体に変わるので太りにくいが、糖質があるとこのケトン回路が回りにくいので、糖質を制限する必要がある、ということも理解できました。ずっと、「脳のエネルギーがブドウ糖のみ」と思っていましたので、ケトン体が脳のエネルギー源になることにもびっくりしました。
結局は、やせるためには体をケトン体質にすること、そのためには糖質が体内に存在していると難しい、ということですよね。管理栄養士として「糖質、脂質、たんぱく質をバランスよく」というのが基本だと思っていたのですが、「糖質がなぜ必要なのか」ということについては、もう一度体の代謝のメカニズムから考えなくてはいけないな~ と思いました。
他にも、認知症の予防やお肌への効果など、ココナッツオイルには様々な働きがあることに本当にびっくりしました。何よりも「自然界に存在して、口に入れることができるもの」であることが、一番のポイントではないかなと思います。「体にいい」といわれる色々なものが存在しますが、体の中からも外からも使えるものって、多くは存在しないのではないでしょうか。
こんなにも素晴らしい効果が盛りだくさんのココナッツオイルですが、オイルの選び方も重要だと感じました。流行のココナッツオイルなので、市販されている種類も様々です。
重要なのは製法で、それにより体への影響も変わってくることが分かりました。流行のココナッツオイルだからこそ、間違った情報も沢山あふれていると思います。
今回ココナッツマイスターに認定していただければ、まずは自分の身近な人から、オイルの選び方、脂肪酸の違い、体への効果など、正確な情報を伝えていきたいと考えています。
ちなみに、ココナッツオイルを取り始めてからの甲状腺機能低下症の状態ですが、1ヶ月でTSHの値が半分に減りました(8.87→4.2 正常値は0.27~4.20)。それまでの3ヶ月は7~9の間で改善が見られなかったので、「これはココナッツオイルの効果では!」と喜んでいます。正常値まであと少しなので、これからもココナッツオイルを美味しく取り入れていきたいです。
福岡市
脇田 彩